最近の企業の内定取り消しの仕方

2011.12.30

内定取り消しの頻発を受けて、新卒氷河期と書くマスメディアもある。たしかに、内定取り消しを受けた学生は大きな不安に襲われただろう。しかし、これも実態よりも過大に表現されているように思われる。文部科学省の調べ(2009年3月発表)によると、2009年卒の大卒者の内定取り消しは1155人であり、その48%が他社の内定を得ていて、31%が継続して就職活動中であり、11%が留年を考えているという。大卒で就職する人の数が約38万人であるから、1155人という数字は約O・3%になるが、まずこれを特別に多いと考えるべきだろうか。

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厚生労働省の集計によると90年代にも大卒者の内定取り消しが1000人規模になったことがあるとしているので、少なくとも今回の不況ではじめて内定取り消しが大量発生したということではなさそうだ。十分な比較もなしに、はじめて大量に内定取り消しが起こったように報じる論調には抵抗がある。ただし、内定取り消しの方法に大きな問題があることは事実だ。内定取り消しを行ったという世間体の悪さを繕うために、労働条件の悪化を告げて暗に学生側から内定を辞退するよう迫る企業が多数ある。先の文部科学省調査では、給与や勤務地の条件悪化を告げられた学生が1052人、うち496人が内定を辞退していたという。こちらのほうがむしろ大問題ではないか。政府や大学には、内定取り消し時のルールを確立することや、自ら内定を辞退させるような陰湿な企業の行動をやめさせるようルールを整備することを期待したい。