なぜ格差が拡大したのか

2011.12.16

男女雇用機会均等法が制定されて、性別によらず、能力と意欲に応じた均等な取り扱いが求められるようになった。しかし均等法は、同時に「募集・採用区分」「雇用管理区分」という概念を指針に盛り込んで、雇用形態や就業形態が同じ区分に属する者の聞でしか差別を解消できなくした。たとえば、正社員の男性と契約社員の女性が、同じように外国語を用いる必要のある仕事をしているのに、男性には語学研修の機会が与えられて女性には与えられないとしよう。

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女性の側が研修の機会が与えられないのは差別だとして訴えても、相手の男性は正社員だから均等法には違反しないとして処理されてしまうわけである。採用時点で明白な男女差別があったとしても、行政や裁判所は契約形態の違いを超えてその後の処遇の格差をなくすところまで踏み込むことはしてこなかった。そんな制度の枠組みに影響されて、皮肉にも女性の非正規雇用化かいっそう急速にすすんだ。企業によっては、正社員だった女性にも、コース別雇用管理制度を用意して、男女を異なる契約形態によって管理する形をとった。コースは、おおまかにいうと、長期のキャリア開発を前提とする基幹業務に従事する社員で、転勤や残業に応じられるコースと、比較的短期の雇用で、補助定型業務に従事することを予定され、残業も転勤もない自由度の高い働き方を前提とするコースとに分かれた。これは、「パート研報告」の賃金体系・処遇体系の違いとまったく重なる区分であって、ここにも、パートの待遇に、日本の女性労働問題が凝縮されているという根拠がある。